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HCI research in the wild, why not?

気付けば元旦になっていましたが、主に国際連携・メタ研究の観点で、2023年を振り返りました。 HCI Advent Calendar 2023 にすでにあがっている記事を読みながら考えたことも併せて書いています。 HCI 研究は、例外なく何らかの文化的文脈に置かれ、特定のドメインを扱っていますが、そうした当事者性に無自覚でいることの弊害が目立つようになってきています。裏を返せば HCI は、人類の未来にとってもっと重要な学問になるポテンシャルを持っていると思います。

HCI研究者とクリエータの関係

ACM 発行の学生向け季刊雑誌 XRDS で特集 "Exploring the Horizon of Computation for Creativity" が組まれ、創造性支援研究に関して寄稿しました。人々の創造的活動に寄り添い研究開発してきた経験をもとに書いたもので、この豊穣な世界が伝わるといいなと思います。

Lights, Animation, Interaction!(国際アニメーション学会 登壇発表)

国際アニメーション学会(Society for Animation Studies)で、3 年連続登壇発表しました。産総研の研究の一環で音楽ライブのステージ演出をお手伝いしたり、クリエータの作る演出を間近で見てきたりした経験をもとに、「アニメーションする光」のステージにおける役割に焦点を当てて講演しました。

第一回 AIST Creative HCI Seminar 参加のすすめ

来週 3 月 7 日(火)デンマークと香港から研究者を東京大学本郷キャンパスに招聘し、 Human-Computer Interaction に関する無料のセミナー 第一回 AIST Creative HCI Seminar を開催します。この記事では、セミナーの概要を紹介しつつ、 HCI が専門の人にも、そうでない人にも、参加をおすすめしてみたいと思います。

Japan ACM SIGCHI Chapter で受賞して講演しました

研究分野の国際学会(ACM SIGCHI)日本支部(Japan ACM SIGCHI Chapter)から秀若手研究者賞(Distinguished Young Researcher Award)を受賞し、授賞講演の機会に恵まれました。ハイブリッド形式の授賞式で録画がありましたので、せっかくなので YouTube にあげました。

コンピュータありきの創造性と文化について

先日、AI 活用が当たり前になった社会でも、人々が創造的な活動を続けたいと思えるような Human-Computer Interaction (HCI) の技術を研究開発する課題提案が採択されました。この記事では、HCI 研究における創造性支援の現在地とこれからについて議論するとともに、私が研究題目に「文化」という単語を入れた背景について書いてみようと思います。

データジャーナリズムの現在地

情報処理学会の学会誌「情報処理」5 月号の巻頭コラムは NHK 解説委員 三輪 誠司氏の「報道の現場を変えたプログラミングスキル」でした。三輪さんの取り組みは、広義ではデータジャーナリズム(data journalism)として捉えることができます。その動向を記事にまとめました。

研究開発の自由度と互換性の両立

自分以外の方々にサービスや API を使ってもらう機会が増えるにつれ、研究開発の自由度(好きにコードを書きたい)と互換性(仕様変更で外部に迷惑をかけない)を両立するための工夫が重要になってきました。この記事では、とくに開発リソースがひっ迫している環境において、外部連携をスムーズに行うために、私が気をつけて実践してきたことを紹介します。

立花隆公式サイトを作りました

今年 4 月 30 日、立花隆氏が亡くなりました。立花氏ははやくからインターネットの可能性に注目していました。氏の公式サイトは、かつて私がメンテナンスをお手伝いしていたのですが、ドメインの失効とともに閉鎖になっていたのです。訃報を受け、サイトを一から作り直して 6 月に https://tachibana.rip で公開しました。さらに、このたび、そのソースコードを公開しました。

1日のコーディング時間

年初に、 Visual Studio Code などのコーディング時間をプロジェクトごとに集計してくれる WakaTime というツールを使い始めました。週休 2 日と思うとだいたい 1 日あたり 4 時間は VS Code を使ってるようです。VS Code 外などトラッ...

研究の知と論文

国際会議に論文が何回も不採録になっても続けた研究がまったく別分野で受け入れられた経験をもとに、研究分野の限界、論文というフォーマットの限界、そして研究が本来持っている自由について徒然書きました。

インターンは居場所作り

この記事は Microsoft Research Internship アルムナイ Advent Calendar の 23 日目です。自分は今、産業技術総合研究所に主任研究員として勤める傍ら、アニメ制作会社アーチの技術顧問を兼業しています。どちらもやっていることの根っこは...

Digital Stars 2020 Onlineで技術が使われています

一昨年、昨年と、初音ミクの誕生日をみなさんから寄せられたメッセージとともにお祝いするイベントを支えてきました。 ACM Multimedia 2018 で発表した Songle Sync という音楽に合わせてたくさんの端末を同期する技術が使われています。例年はマジカルミライ...

国際会議プログラム委員のお仕事

これまで ACM UIST 2014, 2017, 2018, 2019, ACM CHI 2017, 2020 などの国際会議で、論文採否を決めてその年の会議のプログラム編成に関わる委員会(Program Committee, Sub-committee)のメンバーを務め...

100年後のコンピュータ科学

情報処理学会の学会誌「情報処理」に毎月楽しみにしている「先生、質問です!」というコーナーがあります。学生などの素朴な疑問に研究者複数名が真摯に答える内容で、情報処理に関わる質問はもちろんのこと、研究者のキャリアについての質問などもあり、論文からは見えない研究者像を浮き彫りに...

ARCH Inc.技術顧問になりました

この度、アニメなどのコンテンツを幅広くプロデュースするアーチ株式会社(ARCH Inc.)の技術顧問になりました。転職ではなく、現職の産業技術総合研究所 研究員を主務としたまま、技術顧問を非常勤で兼務するかたちです。アーチからプレスリリースが出ています。研究者がアカデミアだ...

Live Programmingについて (LIVE 2017で基調講演します)

Live Programming に関する国際ワークショップ LIVE 2017 で基調講演を任されることになり、いろいろ考えた末「User Interfaces for Live Programming」という題で話すことにしました。講演内容は講演後に掲載することにして、Live Programming とは、LIVE とは何か、どんな人がやっているのか紹介してみます。フォローアップ記事とスライドへのリンクもあります。

国際会議Student Volunteerのすすめ

学生向けおすすめ記事は、基本的に自分が学生の頃の体験をもとに書いています。博士課程を一昨年修了したので、新しい記事を書くことはもうないだろうなぁと思っていました。ところが、今年の国際会議ACM UIST 2016で Student Volunteer Chair を拝命した...

つくば横の会に登壇しました

ご縁をいただいて、第 2 回つくば横の会に登壇しました。昨年開催された第 1 回も、実は参加だけしていましたが、昨年に増してパワフルな企画になっていましたね。多人数の登壇者が要点だけさっと話してパネルディスカッションに入るというフォーマットも非常によかったと思います。私の講...

プログラミング支援からプログラミング教育へ

最近プログラミング教育に関する世間一般の興味が高まってきています。オバマ大統領がイニシアチブを取り、コンピュータ科学に関する教育を全ての学生に課すため、関連する産業や研究開発に多額の政策投資を行おうというアメリカのCS for Allや、日本の政府成長戦略のなかで挙げられて...

二年目の後半を振り返る

研究員として働き始めて二年が経ちました。実は半年前にも振り返っているので、そのあとの半年で何があったかまとめておきます。TextAlive × SNOW MIKU 2016でイラストレーターの方々、音楽家の方々と間接的にでも共同で創作できたこと、SIGPX を立ち上げられた...

情報処理が科学を更新する(IPSJ-ONEに登壇しました)

情報処理学会全国大会 大トリのプレゼン大会 IPSJ-ONE に招待され、登壇してきました。これは、情報処理に関わるさまざまな分野の研究会から優秀な研究者を選出し、1 人 5 分ずつ登壇するイベントで、去年から開催されています。TEDをご存知の方なら、その研究者版と考えてい...

第1回SIGPXを開催しました

2 月 27 日(土)東京工業大学の会場をお借りして第 1 回 Special Interest Group on Programming Experience (SIGPX)を開催しました。開催にあたって考えていたことは、だいたい最初のプレゼンテーションで喋ったのですが、...

日本からでも応募できる情報科学系Fellowship

僕の在学時はMicrosoft Research Asia Fellowshipしかなかったですが、だんだん増えてきたようなので知っているものをリストアップしました。他にもあったら @arcatdmz までお知らせください。これを投稿した時点で今年度まだ応募できるのはAdo...

第48回 情報科学若手の会に参加しました

情報処理学会プログラミングシンポジウム委員会主催で第 48 回という、とても歴史のある会に参加して講演してきました。講演そのものはWeb 記事「ぼくらのプログラミングから、みんなのプログラミングへ (From "programmers are people, to...

情報科学系 海外研究インターンのすすめ〔前編〕

ACM CHI 2015 全論文の概要を一日で把握するCHI 勉強会 2015へのご参加ありがとうございました。幹事団の一人として御礼申し上げます。東京会場では、メインプログラムのあと懇親会までの準備時間に企業紹介と海外インターン経験談紹介のセッションを開催しました。インタ...

ACM CHI 2015 における日本

情報処理学会の学会誌向けに、Human-Computer Interaction 分野で最大の国際会議であるCHIの参加報告を書いていたのですが、字数制限を気にしていなかったら溢れたので、省いた部分と主催シンポジウムの紹介をあわせてブログに掲載します。

ACM CHI 2015 参加のすすめ

忙しい人のための要約: 韓国ソウルで開催される ACM CHI 2015 で、情報処理学会と Microsoft Research のスポンサードで日本発シンポジウムやります。参加登録〆切は CHI の Early Registration 〆切と同日の3 月 6 日です...

Re: ユーザインタフェース研究の意義

増井先生が以下のようなことをブログで述べています。 ここ何十年かのユーザインタフェース関連学会で論文として発表されたシステムを自分は全く使ってないことに気付いて愕然としてしまった。ユーザインタフェースの研究を行なってる人達が、 これまでのユーザインタフェース関連の研究結果を...

Microsoft Research Asia Fellowship応募のすすめ

MSRA Fellowship 2012 授賞式アメリカの情報系企業で研究インターンをして印象的だったことの一つに、企業による博士課程の学生向け Fellowship の充実が挙げられます。これは、優秀な学生に研究費を給付し、業績やポテンシャルの高さを評価する仕組みです。F...

J-1ビザで渡米した研究インターンの所得税還付手続き

2 月、そろそろ確定申告の時期ですね。これはアメリカでも同じで、とくに年度中に渡米して企業で研究インターンした日本人の大学院生は、払いすぎた所得税を取り戻す申請手続きを行うことができます。これは、J-1 ビザで渡米している人なら基本的に *全額* 戻ってきます。人それぞれですが、けっこうな額になるはずです。

開発環境研究をしているラボ一覧

開発環境研究をしているラボのうち、ぱっと思いついたのを一覧できるよう並べてみました。誰でも編集できる Google Docs へのリンクや、 SIGPX をはじめとする関連イベントにも言及しています。

“開発環境の研究”とは? / HCI編 補遺

早いもので、“開発環境の研究”とは? / HCI 編を書いてからもう一年近く経ってしまいました。すぐに PL 編を書こうと思っていたのですが、何となく HCI 編も分野を嘗めきれていない気がして筆が進みませんでした。論文を読んでいろいろと歴史を紐解いていくうちに、この違和感...

プログラミング環境としてのExcel

萩谷先生の「Excel でプログラムを書く」という原稿が話題に挙がっていたので、僕の知る範囲で、研究の文脈をちょっとご紹介します。プログラミング環境としての Excel という考え方は、文字列ベースの開発環境に慣れた人にはちょっと頓狂に聞こえるかもしれませんが、Micros...

ProcessingとPhybotsでARToolKitマーカーを検出する

Java/Processing で小型ロボットを簡単に動かせるツールキット Phybots は、オープンソースで公開されてしばらく経ちますが、正直なところ忙しくてあまり管理に手が回っておらず、すぐ使える配布ファイルもありませんでした。#五十嵐 ERATOのポスターセッション...

“開発環境の研究”とは? / HCI編

IT が生活のいろんな部分に入り込んでくるにつれ、プログラミングの重要性がどんどん増しています。しかし、Visual StudioやEclipseに代表されるような開発環境の使い勝手を向上させる研究は、意外といっていいほど見当たりません。その中でも著名な研究は、Last a...

コンピュータ科学の博士課程にきて初めて分かったこと4つ

学部生のころ研究について想像していたことと、実際に修士を修了して博士課程にきて分かった現実の間にけっこうギャップがあったので、この感覚の差を忘れないうちに書いてみます。なお、僕の専門はコンピュータ科学のなかでもユーザインタフェース・Human-Computer Intera...

Hello world!

ブログを始める準備をしています。考えたこと、やったことを一覧にしておきます。