People are Programmers
このブログについて
人とコンピュータの関係を考え、よりよくしていく学問 "HCI" 研究者のブログです。創作支援のためのユーザインタフェースと統合環境設計を専門としています。産総研という研究所とアーチというアニメ制作会社に所属しており、研究だけでなく、一般公開サービスの開発や運営も行っています。日々のこと、趣味のこと、いろいろ書きます。
加藤 淳
著者について、詳しくは自己紹介へどうぞ。
GUI(グラフィカルユーザインタフェース)には、まだまだ研究の余地があり、個別のインタラクション設計でなくその背後にある理論の研究はとくに発展の余地が大きいのではないでしょうか。HCIの強みは工学的に構成したインタラクティブシステムという人工物をバウンダリオブジェクトととして議論を展開できるところにあり、その観点では、未来のシステム設計だけでなく、現存する、あるいは過去のシステムやツールを対象とした研究アプローチが今後さらに重要になると考えています。
気付けば元旦になっていましたが、主に国際連携・メタ研究の観点で、2023年を振り返りました。 HCI Advent Calendar 2023 にすでにあがっている記事を読みながら考えたことも併せて書いています。 HCI 研究は、例外なく何らかの文化的文脈に置かれ、特定のドメインを扱っていますが、そうした当事者性に無自覚でいることの弊害が目立つようになってきています。裏を返せば HCI は、人類の未来にとってもっと重要な学問になるポテンシャルを持っていると思います。
ACM 発行の学生向け季刊雑誌 XRDS で特集 "Exploring the Horizon of Computation for Creativity" が組まれ、創造性支援研究に関して寄稿しました。人々の創造的活動に寄り添い研究開発してきた経験をもとに書いたもので、この豊穣な世界が伝わるといいなと思います。
国際アニメーション学会(Society for Animation Studies)で、3 年連続登壇発表しました。産総研の研究の一環で音楽ライブのステージ演出をお手伝いしたり、クリエータの作る演出を間近で見てきたりした経験をもとに、「アニメーションする光」のステージにおける役割に焦点を当てて講演しました。
来週 3 月 7 日(火)デンマークと香港から研究者を東京大学本郷キャンパスに招聘し、 Human-Computer Interaction に関する無料のセミナー 第一回 AIST Creative HCI Seminar を開催します。この記事では、セミナーの概要を紹介しつつ、 HCI が専門の人にも、そうでない人にも、参加をおすすめしてみたいと思います。