一年半を振り返る

投稿者: 加藤 淳
投稿日:
カテゴリ: life, lookback, travel

博士課程を修了し、就職してから早一年半が経ちました。前回、半年を振り返ってからの一年を振り返ってみようと思います。最近は研究者として何ができるか、何をしたいか考えて行動できるようになってきた気がします。

時系列は下に載せましたが、研究トピックとしては主に次の 4 つに取り組みました。

  • Sharedo: 人とエージェントでタスクを共有するための To-do リストインタフェース
  • TextAlive: 歌詞アニメーションのための Integrated Design Environment
  • CrossSong Puzzle: 楽曲をマッシュアップしてインタラクティブに遊べるパズルを自動生成
  • f3.js (UIST 2015 デモ予定)

このうち、Sharedo は入所直後にがんばったものなので、一年間での進展はほぼありません。CrossSong は共著論文で、パズル自動生成の部分には全く関与しておらず(Jordan, Graham, 深山さん、後藤さんの貢献部分です)、HCI 研究者らしくパズルのインタラクション設計やデモ動画制作などを担当しました。f3.js はとても面白いトピックだと思っているのですが、準備に時間がかかったのと(理由は 11 月の UIST デモ発表の頃にはお分かりいただけると思います)、とにかく TextAlive に時間を割いたので、まだちゃんとしたかたちにはなっていません。

7 月、イギリス各所を訪問

博士課程の頃は必死に目の前のテーマを消化して新しいアイデアを生み出していく日々でしたが、就職を機に、少し落ち着いて研究開発に取り組めるようになりました。TextAlive は、昨年 6 月に研究を始めてから数回実装を書き直しています。一番大きな変更が今年 1 月の Java ベースのアプリケーションから JavaScript ベースの Web アプリケーションへの転換で、これは一般公開を見据えた選択でした。

このように、論文を書くだけでなく、研究内容をみんなに使ってもらえるようにする時間が取れるのは研究所ならではの特長で、僕には合っていたなぁと思います。学生の頃にインターンした Microsoft Research のTouchDevelop チームでは、研究者が核となるコードを書き、Research Software Development Engineer がその周辺を固め、完成度を高めるということをしていて感銘を受けました。TextAlive は現状、textalive.jp上にあるものはすべて僕が書いていますが、Songleに相当依存したシステムになっていて、そちらは中野さんやエンジニアの方々が実装して整備してくれたものです。プレスリリースでは後藤さん、中野さんをはじめ、所内のさまざまな方々にご協力いただきました。MSR とは若干違うかたちですが、異分野との協力関係が築けて、サービス化を助けてもらえるという稀有な環境にとても感謝しています。

今年度の残りは f3.js を世に出していくとともに、TextAlive に関しても研究開発を続けて、就職時に立てていた秘密の計画(!)を着実に進めていければと思っています。今のところ順調、かな。引き続きがんばるぞい!!

10 月

11 月

  • 金沢・京都旅行
  • CHI 2015 査読〆切
  • TextAlive: CHI 2015 リバッタル、Java アプレット化、WISS 2014 登壇発表 @ 浜松  (WISS 2014 Best Paper Award)

12 月

1 月

  • TextAlive: JavaScript 化を開始
  • CrossSong: Web インタフェース開発

2 月

3 月

  • インタラクション 2015 参加 @ お台場
  • TextAlive: JavaScript 版の仮組み完了、ICLC 2015 投稿
  • f3.js: 実装

4 月

  • TextAlive: CHI 2015 登壇発表 @ 韓国 ソウル、JavaScript 版の試験公開開始 (CHI 2015 Best Paper Honorable Mention Award)
  • f3.js: UIST 2015 投稿 (不採録)
  • UIST 2015 査読
ACM CHI Symposium on Emerging Japanese HCI Research Collection参加者一同
ACM CHI Symposium on Emerging Japanese HCI Research Collection

5 月

日々
長野県で免許合宿に参加

6 月

7 月

  • イギリス各所を訪問 (University of Bristol, University of Oxford, University of Cambridge, Microsoft Research Cambridge など)
  • TextAlive: 実装、ICLC 2015 登壇発表 @ イギリス リーズ
  • CrossSong: SMC 2015 用デモページ作成 (SMC 2015 Best Paper Award)

8 月

  • TextAlive: 実装

9 月

情報科学若手の会で楽しく招待講演

そういえば、学生の頃と違うもう一つの点は、ここに書けないこともいろいろある、というところですね。とりあえず最近は、学生実習生がいろいろ面白いものを作っているので、見ていてとても楽しいです。1 年に 2 回実習生を受け入れる時期があるので、一緒に研究したい学生さんは適宜お知らせください。