四年目を振り返る
ときどき研究生活を振り返ってます。もう博士課程修了から 4 年が経って、その頃の記憶もだいぶ遠のいてきた気がします。前回は半年前だったので、ここ半年の進捗を画像多めで振り返りつつ、2018 年度の抱負を書き留めておこうと思います。
- LIVE 2017 基調講演
- 情報処理学会 学会誌 小特集刊行
- マジカルミライ 2017 DJ ステージ
- WISS 2017 投票システム刷新
- MUSIC HACK DAY Tokyo 2018
- SNOW MIKU LIVE! 2018 映像制作
- ACM CHI 2018「Reactile」共著論文発表
- 論文投稿
- スプラトゥーン 2
あと、ここには挙げていませんが、研究プロジェクトの紹介などを行っている自身のポートフォリオサイトを 1 月に改装しました。けっこう見やすくなったと思うので、そちらもぜひ。
LIVE 2017 基調講演
詳しくは研究プロジェクトの Web サイトやブログ記事に掲載していますが、Live Programming に関する国際ワークショップ LIVE 2017 で「User Interfaces for Live Programming」と題して基調講演しました。
これまでの私の研究を踏まえつつ、既存のプログラミング環境が抱えている問題を指摘し、どうすれば「プログラミング」という営みをよりよい体験にしていけるか、「ユーザ参加」「実世界」「時間旅行」の 3 つの観点から論じました。
情報処理学会 学会誌 小特集刊行
SIGPXで扱ってきたさまざまなトピックをカバーした小特集「プログラミング・エクスペリエンスの新潮流」の掲載された情報処理学会 学会誌が刊行されました。SIGPXは 1 月に第 4 回を開催しており、だいたい半年に一回のペースができてきました。
ちなみに、こうした研究をしているとプログラミング教育について意見を求められることが(とくに国内で)よくあるのですが、わりと歯切れの悪い回答になってしまいます。その要因として、教育がある種のすでに確立した知識体系を初学者に教え伝える活動であるのに対し、私の研究はそもそもプログラミングがどうあるべきか問い直すものである点が挙げられます。
どうあるべきか自分の中で答えが出ていないものについて、どうやって教えたらいいか、と聞かれてもなかなか難しいのです。ただ、長年やっているとだんだん見えてくるものもあるもので、そろそろプログラミング教育的な研究をしてみてもいいのかなと思うようになってきました。これは、2018 年度の課題の一つです。
マジカルミライ 2017 DJ ステージ
プレスリリースした Songle Sync を、実証実験の一環で DJ ステージ来場者に使っていただきました。DJ の keisei さんが積極的に声かけしてくださったおかげで多くの方に参加していただけて、課題もいろいろ見えてきて、実証実験としては成功でした。
私は、ハガキのデザインを監修したり、写真を撮ったり、来場者の方にインタビューしたりと、裏方役に徹していました。
WISS 2017 投票システム刷新
国内ワークショップの WISS で、紙に印刷した投票トークンを使っていたシステムを Web 化しました。投票者数が増えてよかったです。
こういうシステム開発は研究に直接つながることは稀ですが、間接的に足腰の強化につながるところがあるので、しっかり時間を取りたいものです。
MUSIC HACK DAY Tokyo 2018
グローバルなハッカソンイベントMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にSongle API 開発チームとして参加しました。開発に関わってきた API を多くの方に使っていただくことができて嬉しかったです。
2018 年度は、TextAliveやf3.jsも現代的な設計にしつつ API を整備していきたいと考えています。
SNOW MIKU LIVE! 2018 映像制作
初音ミクのライブ 2 曲で、私の研究成果であるTextAliveで制作した歌詞アニメーションが使われました。
このために曲を聴き込んで演出を書き下ろし、映像制作に直接携わりました。かつては自主製作冊子の DTP デザインや友人の作る CD ジャケットデザインなどいろいろ楽しんでいたものですが、その感覚を久しぶりに思い出すことができました。2018 年度は研究開発に留まらず、しっかりコンテンツを作り込む時間を取ろうと思います。
ちなみに、Songle Sync の実証実験も同時に行っています。こちらはマジカルミライのときと同様、撮影係などの裏方仕事を少々、という感じでした。
ACM CHI 2018「Reactile」共著論文発表
Human-Computer Interaction 分野のトップ国際会議 ACM CHI 2018 で、共著論文の発表がありました。鈴木くんお疲れさまでした。
現地には行かなかったのですが、友人から「見たよ!Cool!!」というような連絡を何本かもらえてよかったです。
論文投稿
4 月に主著 2 本と共著 1 本を投稿しました。1 か月に 3 本〆切を抱えるのは、なかなかキツいものがあります。
1 か月に 3 本投稿というのは去年の CHI でもやったのですが、そのときは主著 1 本と共著 2 本(うち共著 1 本が上でも触れた Reactile)でした。今回は投稿先学会が論文 3 本で全部異なっていたので、それぞれのカルチャーに合わせて頭を切り替えるコンテクストスイッチに苦労しました。
スプラトゥーン 2
余暇時間のほとんどをつぎ込んで遊んでます。所内にもスプラ部が。